経営事項審査とは、公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で、政令で定めるものを発注者(公共機関など)から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的事項について審査を受けることが義務付けられています。
具体的には、「経営状況」及び「経営規模等」(経営規模、技術的能力、その他の客観的事項)について数値による評価を受ける必要があります。
「経営状況」の分析は国土交通大臣の登録を受けた者(登録経営状況分析機関)が行う一方、「経営規模等」の評価は国土交通大臣又は都道府県知事が行います。
公共工事を受注したい建設業者はこの経営事項審査を受けることが義務付けられていますが、審査結果の有効期間は審査基準日(通常は決算日)から1年7ヶ月間となります。
この経営事項審査の総合評定値を客観点とし、これに各官庁・地方自治体等の独自の基準(主観点)を加えた総合点数で、入札ランクを決定する官庁・地方自治体等がほとんどであるため、総合評定値が重要な意義をもちます。
また、審査する役所(国土交通大臣又は都道府県知事)が定めた添付書類を基に審査され、不適格業者を排除する仕組みが取り入れられています。
経営事項審査は、建設業許可を取得している業者しか受けることができず、公共工事の受注を希望する建設業許可業者が、各官庁・地方自治体等の入札参加資格審査を受けるためのものです。
受注ランクが上がるのを目指して、経営事項審査の総合評定値を上げるために技術職員を多数抱えたり意図的に完成工事高を増やしたりした場合、無駄な経費や無理な受注は利益を圧迫すると判断され、バランスの取れていない会社と評価される可能性があり、かえって受注ランクを下げてしまう可能性があります。
国土交通省と都道府県の建設業許可行政庁は、かりに建設業者が経営事項審査の虚偽申請を行っていた場合、30日以上の営業停止処分をすることがあります。